高校進学を機に新しい部活に挑戦しようと考えている人は多いです。
特に、「中学では別の部活をしていたけれど、高校からは野球を始めたい」と思っている方もいるでしょう。
高校で野球を始めることに興味があるものの、次のような疑問や不安が頭をよぎるかもしれません。
- 高校から野球を始めても大丈夫?
- チームのスタメンに選ばれることは可能?
-
練習についていけるか?
今回は、これから高校で野球を始めようとしている方へ、考えるべき点をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてください。
高校から野球を始めることは可能ですか?
高校で野球を始めると決めたとき、多くの方が抱く疑問は、
- 初心者が高校から野球を始めることは本当に可能なのか?
-
経験者だけの世界ではないのか?
といった点です。
しかし、高校野球は特に経験者のみが参加できるという規則はありません。野球をしたいという強い気持ちがあれば、誰にでも挑戦する権利があります。
経験がない分、他の経験者と比べると厳しい場面も多いでしょうが、技術は時間をかけて学べばよく、重要なのはどれだけ自分が努力できるかです。
野球が初心者にとって他の団体スポーツより始めやすい理由
野球はサッカーやバスケットボールといった他の団体スポーツに比べて、初心者が入りやすい特徴がいくつかあります。
体格の影響が比較的少ない
サッカーやバスケットボールでは、プレイヤー同士の激しい競争があり、身長が高いだけで有利な場面が多く見られます。このため、体格が直接スタメン入りのチャンスに影響を与えることがあります。
しかし、野球では身長がプレイの成果に直接的な差を生じさせることは少なく、動きの激しい他のスポーツに比べて体型が多少自由であることも野球の魅力です。
実際、体型が多様なプロ野球選手が技術を活かして成功しています。
個々の技術ミスがチームに与える影響が小さい
サッカーやバスケットボールでは、フィールド上の全員のパフォーマンスが密接に関連しており、1人のミスが大きな影響を及ぼすことがあります。
これに対し、野球では個々の選手のミスが直接的にはゲームの崩壊につながりにくいです。
例えば、攻撃時にバスケットボールでは1人がミスをすると、その場でプレイが止まりがちですが、野球ではその打者がアウトになるだけで、次の打者にチャンスが移ります。
守備に関しても、他のスポーツでは技術が低いプレイヤーを狙って攻める戦略が取られることがありますが、野球ではピッチャーが打者に対して配球を工夫し、打たせて取る戦術を取るため、特定のプレイヤーだけがターゲットにされることが少ないです。
これらの理由から、野球は技術的な面で未熟なプレイヤーでもチームの負担となりにくく、始めやすいスポーツと言えます。
試合への参加が容易
サッカーやバスケットボールでは、攻撃と守備が頻繁に交替するため、ある程度の技術と体力が求められます。
しかし、野球は攻撃と守備がはっきり分かれており、全体的なスキルや持久力がそれほど必要ではありません。
例えば、守備が苦手でも、打撃に秀でていればスタメン入りするチャンスは十分にあります。
また、野球には代打や守備専門、代走、中継ぎ投手といった特定の役割を担う機会が多く、スタメンにはなれなくても試合に参加するチャンスが幅広く提供されます。
未経験者の利点
小学校や中学校から野球をしている人は、豊富な経験を持っていますが、その反面、特定の癖が身についており、これを修正するのは一苦労です。
一方で、未経験者は特定の癖がないため技術の向上が期待され、コーチにとっても教えやすいという利点があります。
このため、未経験ながら基本的な体力があり向上心がある人は、強豪校や他のスポーツからスカウトされることも少なくありません。
高校で野球を始める際の厳しい現実
高校から野球を始める際には、いくつか厳しい現実に直面することが予想されます。
レギュラーを勝ち取るのは難しい
高校の野球部には、既に長年の経験を持つ選手が多くいます。
そのため、未経験のまま入部しても、スタメン入りするのは非常に困難かもしれません。
熱心に練習しても、3年間補欠のまま終わる可能性も十分にあります。
多くの人が「とにかく野球がしたい」という情熱を持っていますが、実際には厳しい練習に耐えながらも試合でプレイする機会を得られず、サポート役に徹することが心身ともに大きな負担となります。
身体的および精神的に要求されること
高校の部活動は中学と比較しても練習の厳しさが増します。
特に野球は技術面でのキャッチアップが必要となり、未経験者はさらに過酷な条件のもとでのトレーニングを余儀なくされます。
また、自己の未熟さによる自責の念や、他のメンバーからの期待に応えられないことが精神的な負担となることも。
場合によっては、練習機会が限られるなど、不公平な扱いを受けることもあり得ます。
厳しい上下関係
体育会系の特徴として、野球部では上下関係が特に厳しいことがあります。
これは学校やチームによって異なりますが、先輩からの過度な要求やいじめに遭うこともあります。
また、顧問教師が野球経験者であることが多く、彼らの育った環境も伝統的な体育会系の色が強いため、部活の管理が他と比べて厳しい傾向にあります。これにより、理不尽な対応を受けることも少なくありません。
これらの点をよく理解し、覚悟を持って高校野球に臨む必要があります。
やりたいことに挑戦する価値
これまで述べたように、高校から野球を始めるのは、未経験者には特に困難が伴います。
しかし、本当に野球を始めたいという強い願望があるなら、それに挑戦することをお勧めします。
もしも野球を始めなければ、後々「やっておけばよかった」と後悔する可能性があります。
そのような後悔は、一度ついてしまうとなかなか消えることはありません。
また、野球部に入ってみて合わないと感じたら、途中でやめる選択肢もあります。
一般に何かを途中でやめることは否定的に捉えられがちですが、挑戦自体が価値ある経験になります。
完遂することも大切ですが、挑戦する勇気自体が、何もしないよりはるかに価値があります。
たとえ試合に出られなくても、部活の雑用だけになっても、あるいは途中で辞めたとしても、挑戦した事実はあなたの人生にとって大きな経験となるでしょう。
まとめ
高校で野球を始めることを考えたとき、不安に思うことは多いですが、結局のところ、挑戦するかどうか自分自身で決めるしかありません。
野球を始めたいという情熱があるなら、不安を理由に始めないことを選ぶよりも、勇気を出して一歩を踏み出すほうがずっと良いでしょう。